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昨年来、何人かの学生からアプローチを受けて、
就活の
アドバイスをする機会があった。20代の駆け出しの頃
はリクルーターをやり、30前後でベンチャー
投資に取
り組んで新会社に飛び込んで行った時は、自ら募集採用
活動をやって、その難しさと人材のありがたみを痛感した。
そして40代になってからは面接官を何度か務めた。
そんな経験をベースに学生にアドバイスをしている。
思い起こせば、就活したのはもう27〜28年前のことになる。
就活
セミナーで母校にやってきて、成功談を話す先輩が
本当にまぶしかった。とても自分にはあのように自分を
売り込むことはできないと不安になった。
しかし、就職は一生を左右する大事。自分の全てを出して
ぶつかるしかない、そう自分を奮い立たせたのを思い出す。
自分という人間を整理して、自分をきちんと説明できる学
生に変身した。
総合商社は難関だった。自信満々の人間が大勢押し寄せて
くる。バリバリの体育会系でいかにも男らしい人間から、
一人前のビジネスマンの雰囲気をすでに醸し出す人間、
言うことなすこと
スマートな人間。そういう中で競争する
ことを想像すると、ついつい背伸びをして自分を見失って
しまいそうになった。
しかしどんなに虚勢を張っても、何を話そうとも、人格が
滲み出てくるものだ。それはその人の経験と、経験から身
に付いた、モノの見方や考え方、心の姿勢というものが
ベースになる。どんなに威勢のいい
話し方をしても、話す
内容に中身がなければ、人間的な魅力は色あせる。
後で聞いたら、会社の採用基準は「魅力のある人間」とい
う一点だった。魅力のある人間というのは、人を惹きつけ
る何かを持っているということだ。小さな声で静かに話す
人間でも、よく考えた内容であれば魅力を感じさせる。
冷静に分析して話す、その思考方法が優れた知性を現すも
のであればよい。
経験から学びとるセンス、感受性に感心することもある。
適度に謙虚で適度に挑戦的であってもよい。つまり決まった
パターンというのはないのであり、その人の個性がイキイキ
と発散している人が魅力的なのだと思う。
他人と差別化しようと思うなら、困難に遭遇した経験を
話せるよう整理しておいた方がいい。その困難をどのように
して乗り越えたのかである。困難は誰でも経験している。
問題はそれをどう認識して、どうやって窮地を脱したのか。
それは自身の知恵や発想や行動力、そして精神的な努力も
あるだろうが、むしろ他人の力添えや他人の献身的な協力
や犠牲を伴うものであったなら(実際にはそういうケースが
多いはず)、そのお蔭であると堂々と述べるべきだと思う。
困難への対処でその人間のストレス耐性がわかる。価値観が
わかる。また吸収力、経験からの学習能力がwかるのである。
自分の力だけで乗り切った、という主張を聞くのは必ずしも
心地よいものではない。ある意味うぬぼれに見えるのである。
社会に出たら一人で仕事をするわけじゃない。人の協力が
不可欠であり、大きな仕事をしようとすればするほど、多く
の人を巻き込む必要がある。その対人関係の大切さ、難しさ
を少しでも感じる経験ができたなら、それは社会人として成
長してゆく大事な要素を学んだことになる。だからその経験
を話したらいいと思うのである。
そしてさらに自分を際立たせるのは熱意である。私の親しか
った友人の一人は、どうしてもある大手の船会社に入りたい
と熱望するあまり、面接時に書く書類の端から端まで、紙の
裏に至るまで、とうとうとその熱情を書き連ね、面接官を
圧倒して採用となったのである。その熱意には頭が下がる想
いをすると同時に、世の中には凄い奴がいるもんだと嬉しく
なった。
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